Pot Guide

アガベの鉢、何を基準に選ぶか

2026.07.05

アガベの根腐れは、水やりの頻度を見直す前に鉢の構造を見てみると、気づくことがあります。自分たちで鉢を設計・試作しながら学んだことを、そのままお伝えします。

「土」より先に「鉢」を見てみる理由

アガベはメキシコの乾燥地帯が原産で、根が常に湿った状態にさらされるのを苦手とする植物です。水やりの頻度を減らしても調子が戻らないとき、原因は水やりそのものというより、鉢の中に水が滞留し続ける構造にあることが少なくありません。土の配合を見直す前に、まず鉢の通気性と排水性を確認してみることをおすすめします。

スリット鉢とメッシュ鉢、何が違うか

一般的なプラ鉢は底に数個の穴が空いているだけで、鉢の中心付近の土までは水はけの恩恵があまり届きません。スリット鉢は側面に切れ込みを入れることで、鉢全体に横からも空気が入るようにした構造で、根の酸素供給という点で一歩進んでいると感じています。

さらに底面全体をメッシュ状にする構造もあります。底の接地面すべてに小さな穴を敷き詰めることで、鉢底石を入れなくても排水と通気を両立させる、という考え方です。理屈としては良さそうに思えたのですが、実際に自分たちで設計してみると、教科書通りにはいかない部分がありました。

鉢を設計していて気づいたこと

HYDEAWAYの鉢は、最初は底面に複数の排水穴を配置したソリッドな床から始まりました。次に、床全体をハニカム状のメッシュに置き換えたバリエーションを作ってみました。設計上はこれで排水性が上がるはずでした。

ところが試作を重ねる中で、見落としていたことに気づきました。メッシュで穴だらけにしても、鉢底の縁がソーサーや床にべったり接地していると、穴から抜けた水がその接地面の下に閉じ込められてしまうのです。穴の数を増やすことと、水が実際に鉢の外まで逃げられることは、別の話でした。

そこで鉢底に貫通する排水溝を足してみました。円周状の水受け構造だけでは水が内側に留まってしまうので、そこから鉢の外周まで一直線に抜ける溝を設け、接地面の下に水が溜まりにくいようにしています。溝は鉢の正面・背面のシルエットには影響しない位置に収め、見た目を変えずに機能だけを足す形にしました。

形状を変えるたびに、watertight(隙間なく閉じているか)・単一パーツとして成形できているか・45度を超えるオーバーハングが1%未満か、という基準で確認してから次の試作に進んでいます。「穴が多い=水はけが良い」というよりは、「水が最後まで鉢の外に抜けきるか」まで見て初めて意味があるのだと、作りながら感じています。

見るときの目安

この記事で触れた考え方をもとに選んだアガベは、現在BASEにて準備中です。公開まで今しばらくお待ちください。

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